
プラトゥーナム・マーケット右足のない乞食男 NEXT

| 長いあいだ、無意識のうちにファインダーの中で絵を描いていた。ライカを使いはじめた時、その過ちに気がついた筈なのに、またいつかライカのファインダーの中で絵を描いている。だからってわけじゃないが、スーパーワイド・ヘリアー、こいつの一番の美点はファインダーがいい加減で役に立たないところだ。一本目のフィルムを失敗してから、ファインダーを覗くのをなるべくやめた。どうせ今、ここに存在する物はすべて写ってしまうのだから。世界を自分好みに切り取ろうなんていう不遜な試みを捨てたところから、新しい自分は始まる。プラスティックの音を立てるボディにフードの曲がったレンズをつけて、バンコクから北へ、旅に出た。 |