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     出来の悪いロードムービーを見せられているみたいに、街の光景は無作為に延々と変わって行く。胸にさげたライカから数10センチ離れたファインダーは、いやつまり、自分のこの目玉のことだが、めまぐるしく変わる露出と距離に気をとられつつも、ターゲットの動きからは視線を離さない。ズミクロンに馴らされた目玉の視野は35mm、M6につけたレンズはアベノンの28mm。多少のパララックスはあっても、トリミングすればドンピシャ、のはずだったのが、現像してみたらバングラデシュの物乞い小僧まで写り込んでいた。手の出し方があんまり遠慮がちだったんで、気がつかなかったのだ。その時は。バンコクでは乞食までのんびりしている。


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