この世には天国も楽園もないかも知れないが、少なくとも野良象の棲む街はある。あのデカい図体で失業し、食い詰めてやって来ても、ただウロウロするだけで生きてゆける街がある。
   夜の街でこいつに会うたびに20バーツの餌を買って食わせながら、考えるのだ。……いざとなったら、ここで生きて行けばいい。ここでだったら、何とか生き延びて行けるかも知れない、このオレだって……と。



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